インターネット回線には色々種類がありますが、地域に密着した形のものといえば「ケーブルテレビ」のインターネット回線です。
ケーブルテレビと言えば地元のテレビチャンネルの印象が強いですが、ケーブルテレビの会社はそのケーブルをネットに応用し、インターネット回線も提供しています。
しかし、東京ではauひかりやNURO光などの光回線も有名で、ケーブルテレビはお得なのでしょうか?
この記事では、ケーブルテレビがお得なのかを見て、
- 「ケーブルテレビを契約すべきか?」
- 「現在ケーブルテレビを契約している人はセット割を考慮してインターネット回線を契約すべきか?」
- 「まるごと乗り換えてしまうべきか?」
といったことを検討していきたいと思います。
※表記している価格は税込みです。
ケーブルテレビ回線とは?
そもそもケーブルテレビ回線とは何なのか、光回線やその他のインターネットと比較しつつ見ていきましょう。
インターネットには色んな種類がある
実は「インターネット回線」には色々と種類がありますが、今回は「自宅で使えるインターネット」を見ていきます。
もちろんスマホ・携帯電話のインターネットはなじみ深いものですが、これは特に自宅に工事をしたり、自分でWi-Fiルーターを用意する必要がないものです。
パソコンを利用するためには、ルーターを持っているだけで良い「モバイルルーター」か、工事を要する「固定回線」のどちらかが必要です。
モバイルルーターはポケット型WiFiやWiMAXなどが有名です。
固定回線は現在では光回線が主流ですが、これはここ20年くらいの間でめまぐるしく変化した結果なので、実はこれまでにたくさんのインターネット回線が開発されました。最初は電話回線を応用したADSL/VDSL、それからケーブルテレビの回線を応用したケーブルテレビ回線、そして光ファイバー技術を応用した光回線です。
インターネットというのは、要は情報を基地局まで送ったり、逆に基地局から送ってもらったりできれば良いだけなので、どんなケーブルでも良いのです。
- 家 ⇒ 電線 ⇒ 基地局/基地局 ⇒ 電線 ⇒ 家
このように、間になんらかの情報を送れる線があれば良いのです。
「情報」というのも最も単純化したものは1と0の二進法なので、光の場合は光の有り・無しで表現できます。
もちろん最終的に家からパソコンをつなぐには、パソコンに合わせたWi-FiかLANケーブルのどちらかに合うように情報を変換する「ルーター」が必要になります。
つまり、極論を言えば固定回線の場合は、「なんでも良いから情報が送れる回線があれば良い」ということになります。ただし、現在では光の速度でデータが送れる光回線が最も速くデータが送れるということになっています。
インターネット | 速度 | 工事 |
---|---|---|
光回線 | 1Gbps~20Gbps | 必要 |
ホームルーター ex.)ドコモ home 5G/ソフトバンクエアー | 440Mbps~4.2Gbps | 不要 |
モバイルルーター ex.)ポケット型WiFi/WiMAX | 440Mbps~3.9Gbps | 不要 |
ケーブルテレビ回線 | 15Mbps~10Gbps | 必要 |
ADSL回線 | 50Mbps~ | 必要 |
この中で、ケーブルテレビの回線というのは元々ケーブルテレビ(今は地デジ・BS・CS・有料チャンネルの提供)のためにあった回線をインターネットに応用したものです。
ただし、最近はケーブルテレビの会社も光回線を提供していたりします。と言うのも、ケーブルテレビ回線よりも最新の技術である光回線の方がかなり速いからです。
東京の主なケーブルテレビ
東京のケーブルテレビはいくつかありますが、今回はその中でこちらの3社を紹介します。
- J:COM
- イッツコムひかり
東京のケーブルテレビ「J:COM」
引用元 J:COM公式サイトより
まずはJ:COMから見ていきましょう。
J:COMは地方ケーブルテレビを吸収合併し、ケーブルテレビ大手となった会社です。正確に言えば「J:COM港・新宿」というように、J:COM○○といった形で各地域に系列会社を持っています。
J:COMのインターネット回線には2種類あります。それは「ケーブルテレビ回線」と「光回線」です。
ケーブルテレビ回線はもちろんケーブルテレビの回線を使ったインターネットです。光回線というのは「J:COM on auひかり」というタイプで、「auひかり」の光回線を借りてJ:COMが売り出しているものです。
ケーブルテレビ回線の速度・月額料金
まずはケーブルテレビ回線の月額料金を見ていきましょう。
最大速度 | 戸建てタイプ | マンションタイプ | |
---|---|---|---|
320M | 下り:320Mbps 上り:10Mbps | ~12ヶ月目:1,900円 13ヶ月目~:4,928円 | ~6ヶ月目:1,900円 7ヶ月目~:4,708円 |
1G | 下り:1Gbps 上り:100Mbps | ~12ヶ月目:1,900円 13ヶ月目~:5,478円 | ~6ヶ月目:1,900円 7ヶ月目~:5,258円 |
J:COMのケーブルテレビ回線は、2022年3月までは120M・40M・12Mの低速プランもありましたが、現在は320Mと1Gの2種類のみです。
1Gプランは基本的に戸建て向けですが、東京の一部のエリアではマンションタイプでも利用できます。
最大320Mbpsはネットサーフィンをするくらいなら問題ありませんが、最大速度はあくまでも理論上の数字でインターネットがこの速度で使えるわけではありません。また、ケーブルテレビ回線の1Gプランは上り(アップロード)が100Mbpsのため、SNSで動画をアップしたりYouTubeで動画配信をしたい人はちょっと不便に感じるかもしれません。
1Gプランの料金は戸建てタイプとしては光回線の相場よりも安いですが、マンションタイプの7ヶ月目以降は高いのが正直なところです。
なお、東京の一部のエリアでは、ケーブルテレビ回線ではなくauひかりの光回線(下り・上り最大1Gbps)として利用できます。
セット割はどう?
ケーブルテレビ回線のメリットとも言える「テレビチャンネルとのセット割」はどうでしょうか。
J:COMの場合、インターネット単体(1G)で5,478円、テレビ単体(スタンダード)で6,074円です。これをパックとして使うと10,428円なので、セット利用することで1,124円割引されます。
スタンダードプランでは91chもの多彩なチャンネルが視聴できますが、huluやNetflixなどの動画配信サービスに比べたらかなり割高です。
もちろん「チャンネル」なのでリアルタイムで視たい人には適しているかもしれませんが、「いつでもどこでも視られる動画配信サービス」を好む人にはあまり必要がないかもしれません。
J:COM NET 光 10G・5G・1Gコース on auひかりの月額料金と速度
引用元 J:COM公式サイトより
光10Gコース | 光5Gコース | 光1Gコース | |
---|---|---|---|
設置場所 | 戸建てのみ | ||
月額料金 | ~12ヶ月目:3,308円 13ヶ月目~:6,886円 | ~12ヶ月目:2,450円 13ヶ月目~:6,028円 | ~12ヶ月目:1,900円 13ヶ月目~:5,478円 |
最大速度 | 上り:10Gbps 下り:10Gbps | 上り:5Gbps 下り:5Gbps | 上り:1Gbps 下り:1Gbps |
J:COMではケーブルテレビ回線のインターネットとは別に、光回線も提供しています。とは言ってもJ:COMの独自回線ではなく、auひかりの光回線を借りて提供しています。
光1Gコースは他の光回線と比較しても安いです。ただし、auひかり回線を使ったサービスは提供エリアが限られていて、おまけに戸建てタイプ限定です。
なお、J:COMでは、工事費無料、キャッシュバック、乗り換え費用負担など、光回線にも劣らないほどキャンペーンが充実しているので、お得に申し込むことができますよ。
J:COM NET 1G | 光1Gコース | 光10G・5Gコース | |
---|---|---|---|
J:COM杉並・中野 | 〇 | 〇 | 〇 |
J:COM大田 | 〇 | 〇 | 〇 |
J:COM武蔵野・三鷹 | 〇 | 〇 | 〇 |
J:COM東葛・葛飾 | 〇 | 〇 | 〇 |
J:COM八王子・日野 | 〇 | 〇 | 〇 |
J:COM板橋・北 | 〇 | 〇 | 〇 |
J:COM足立 | ー | 〇 | 〇 |
J:COM多摩 | 〇 | 〇 | 〇 |
J:COM調布 | ー | 〇 | 〇 |
J:COM町田・川崎 | 〇 | 〇 | 〇 |
J:COMすみだ・台東 | 〇 | 〇 | 〇 |
J:COM世田谷 | 〇 | 〇 | 〇 |
J:COM江戸川 | 〇 | 〇 | 〇 |
J:COM港・新宿 | 〇 | 〇 | 〇 |
J:COM西東京 | 〇 | 〇 | 〇 |
J:COM東京 東エリア | ー | 〇 | 〇 |
J:COM東京 西エリア | 〇 | 〇 | 〇 |
東急沿線のケーブルテレビ「イッツコムひかり」
※イッツコム公式サイトより引用
「イッツコムひかり」は、東急電鉄沿線エリアで事業を行っているケーブルテレビ局「イッツ・コミュニケーションズ株式会社」が提供しているネット回線です。
東急グループに加盟しており、東京都や神奈川県の東急電鉄沿線エリア限定で提供されています。
提供エリアにお住まいの方は、イッツコムひかりも検討すると良いでしょう。
料金プランと提供エリア
住宅タイプ | プラン名 | 戸建て | マンション |
---|---|---|---|
月額料金 | 2ギガコース (最大2Gbps) | 6,820円 | – |
1ギガコース (最大1Gbps) | 6,270円 | – | |
600メガコース (最大600Mbps) | – | 4,730円 | |
300メガコース (最大300Mbps) | 5,720円 | 4,180円 | |
30メガコース (最大30Mbps) | 5,060円 | 3,520円 | |
提供エリア | 東京都(渋谷区、目黒区、大田区、町田市、世田谷区)、神奈川県(高津区、中原区、宮前区、青葉区、都筑区、港北区、緑区) |
プランは何種類かありますが、戸建てなら1ギガコースがおすすめです。
あまりネットを使わないユーザーなら、300メガコースで節約するのもアリですね。
ただし、マンションタイプでは1ギガが使えないので600メガコースとなり、速度は1ギガコースよりも劣ってしまうので注意が必要です。
初期費用
戸建て | マンション | |
---|---|---|
工事費 | →キャンペーンで実質無料 | →キャンペーンで実質無料 |
契約事務手数料 | →キャンペーンで実質無料 |
工事費と契約事務手数料はキャンペーンで実質無料なので、初期費用は0円です。
また、無線LANが内蔵されたモデムが無料でレンタルできるため、自分で無線LANルーターを用意する必要はありません。
ネットとテレビ・電気のセットがお得
ネット単体だとやや料金が高めなイッツコムひかりですが、テレビや電気(東急でんき)をまとめて契約すると結構安く使えます。
月額料金 (ネット+テレビ) | 月額料金 (ネット+テレビ+電気) | |
---|---|---|
2ギガ | 6,710円 | 6,050円 |
1ギガ | 6,160円 | 6,050円 |
300メガ | 5,610円 | 5,500円 |
30メガ | 4,950円 | 4,840円 |
特に電気とセットにすると安いので、東急でんきのユーザーや東急でんきの申し込みを検討している人におすすめです。
ユーザーの速度の評判は良い
ネット回線の口コミサイト「みんなのネット回線速度」によると、イッツコムひかりのユーザーの平均通信速度は342.22Mbps(2024年4月24日時点)となっています。
ソフトバンク光やドコモ光など、人気の光回線と同等もしくはそれ以上の速度が出ています。
イッツコムひかりは「IPv6(混雑するような時間帯でも安定した高速通信ができる接続方式)」に対応しているため、快適にネットを使えているユーザーが多いようです。(マンションタイプ30メガコースはIPv6に非対応)
東京のケーブルテレビ以外でおすすめの光回線4つ
J:COMは料金もリーズナブルで、5Gや10Gの高速サービスも利用可能ですので、ケーブルテレビのインターネット回線も選択肢の一つです。
しかし、ケーブルテレビはキッシュバックなどのキャンペーンが乏しいケースがあります。定評のある光回線であれば、キャッシュバックや工事費無料のキャンペーンなどを行っているところがほとんどで、乗り換えキャンペーンを行っている光回線も多々あります。
その4社がこちらです。
- auひかり
- NURO光
- ビッグローブ光
- ソフトバンク光
ビッグローブ光以外の3社は10Gbpsの高速サービスを展開していますし、4社とも工事費無料やキャッシュバックなどのキャンペーンも充実しています。
月額料金と速度
おすすめ光回線の月額料金を見ておきましょう。
戸建てタイプ | マンションタイプ | |
---|---|---|
auひかり | 5,610円 | 3,740円~5,500円 |
NURO光 | 5,200円 | |
ビッグローブ光 | 5,478円 | 4,378円 |
ソフトバンク光 | 5,720円 | 4,180円 |
戸建てタイプで見た場合、NURO光は最も安く5,200円です。しかも2Gbpsなのでなかなかおすすめできます。
NURO光は全国展開していませんが、特に都心部で提供されているため、東京の人にはかなりおすすめの光回線です。
auひかりでは5Gbpsが1Gbpsと同じ料金で使えます。ただし、都心でないと使えないので、必ずしも東京の全地域で使えるとは限りません。
4社とも工事費無料キャンペーンを実施中ですが、auひかりは固定電話(550円/月)の契約が必要になります。
キャッシュバックは?
キャッシュバックは以下のようになっています。
パターン① | パターン② | |
---|---|---|
auひかり | ネット+ひかり電話 最大63,000円 | ネットのみ 最大58,000円 |
NURO光 | 60,000円 | |
ビッグローブ光 | 35,000円+工事費無料 | ー |
ソフトバンク光 | 42,000円 | Nintendo Switch |
キャッシュバック金額が最も高いのはauひかりです。
NURO光のキャッシュバックは、NURO光 for マンションではもらえません。戸建て・マンションタイプ共通用のNURO光2ギガ(3年契約)であればもらえます。
まとめ
今回は東京のケーブルテレビのインターネット回線について見てきましたが、いかがでしたか?
ケーブルテレビのインターネットは、ひと昔前までは「遅い」「高い」「キャッシュバック・キャンペーンがない」とあまり良いイメージがありませんでした。
しかし、昨今のケーブルテレビのインターネットはJ:COMに代表されるように速度も速く料金も安いですし、J:COMでは工事費無料やキャッシュバックなどキャンペーンも充実しています。
テレビや固定電話などとのセットや5G・10Gといった高速サービスなどプランも充実していますし、auやUQモバイルとのセット割も組めるため、インフラ系をまとめたい人や家族にauまたはUQモバイルユーザーが多い人は検討する価値があると思います。
東京にお住まいの方にとって、この記事がネット選びの参考になったら嬉しいです。
コメント
これからインターネット回線を契約する人やすでに契約中の人の参考になるように、 良い点や悪い点を客観的にコメントしてください。
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