
光回線やモバイルルーターのインターネット回線、スマホなどの料金プランは詳しい人にとっても複雑ですし、今までは申し込みの時のサービス・オプションの不十分な説明や、一部の代理店の強引な営業によって契約トラブルにあっている人も多く見受けられます。
ですがこの度、電気通信事業法が改正されて今年の5月21日(土)から施行されました。主に、消費者を守るためのルールが強化されたので嬉しいところです。今回の記事では、消費者としてはどのような部分が良くなったのかについてご説明していきますね。これから自分を守るための知識としても持っておいて損はありません。
※この記事は2016年5月に書いたものです。
何が変わったの?
今回の電気通信事業法で強化された部分は主に消費者の保護です。国民生活センターによると、これに関する内容は具体的には次の2つ。
- 契約後の書面交付義務
- 契約から一定期間内に利用できる契約解除制度
こう書かれると小難しく見えますので、ひとつひとつ分かりやすく解説していきますね。
1.契約後の書面交付義務
電気通信事業者は、電気通信サービスの契約が成立したときには遅滞なく、消費者に個別の契約内容を明らかにした書面(契約書面)を交付しなければなりません。契約書面には、複雑な料金割引の仕組みを図示することや、付随する有料オプションサービスについての記載等が義務付けられています。
要は、
- 契約内容がわかる書類を渡す。
- 料金割引が複雑なら図でわかりやすく説明を載せる。
- オプションが付いてくるなら必ず記載する。
ということです。どれも当たり前のことのような気がしますが、今までこうではなかった事が怖いですよね…
2.契約から一定期間内に利用できる契約解除制度(初期契約解除制度・確認措置)
サービスが下の対象になる場合は、契約書にその記載をしておく必要があります。
①初期契約解除制度
光回線や主な携帯電話サービスが対象で、契約書を受け取った日から8日が経過するまでは、事業者側の合意がなくても消費者側から契約を解約をすることができます。
ただし、一緒に購入した端末やサービス等の契約は対象ではないので、スマホ等の端末費用は消費者の負担となります。また、事業者は契約解除までの期間のサービス利用料・工事費・事務手数料を消費者に請求することが可能で、工事費・事務手数料については請求できる上限額が決まっています。
いわゆるクーリングオフですね。この期間であれば、違約金がかかることなく解約が可能。これで、仮に悪徳業者に騙されてしまったとしても解約ができます。光回線は、今までも開通するまでは費用の発生はありませんでしたが、知っておいて損はありません。
②確認措置
こちらは、モバイルルーターやスマホなど電波のつながり具合が不十分な場合と、事業者による説明等が不十分な場合は、消費者の申し出により、携帯電話等の端末も含めて電気通信サービスが違約金なしで契約解除できます。消費者は端末費用を負担する必要はありません。
申し出が可能な期間は最低8日で、事業者が定めます。なお、本措置の対象サービスは店舗販売および通信販売で契約した移動通信サービスです。また、事業者は、契約解除までの期間のサービス利用料・付随する有料オプションサービスの利用料を消費者に請求することができます。
今までWiMAXなどのモバイルルーターは、実際に使ってみるまでは電波状況がわからない、でも一度契約をしてしまうと電波が悪くて解約しても違約金がかかってしまってました。それを、今回の法改正で違約金無しで解約が可能ということです。WiMAXであれば届いてから、すぐ使えるので解約可能な期間は充分だと思います。消費者にとって嬉しいですね。
とは言っても…
インターネット回線やスマホなどの契約の際は、自分できちんと契約内容は確認しましょう。逆に、その内容が分かりづらければきちんと説明を求めることも重要です。
また、初期契約解除制度では8日以内、確認措置は事業者が定める日にち以内のタイムリミットはあるので、解約をしたい場合はすぐ行動に移しましょうね。
まとめ
他にも事業者側への改正内容もありますが、今回は消費者側に関係することだけを取り上げました。もう一度まとめると、
- 契約のあとは消費者に必ず書面を渡す。(分かりづらい割引は図示。有料オプションの記載の義務化)
- 契約書を受け取ってから8日間はサービスのみ契約解除が可能。
- 移動通信サービスのみ、電波のつながり不十分・事業者側の説明が不十分のときは、端末含めて違約金無しの解約が可能(最低8日)。
という内容です。今回の改正によって、今後、インターネット回線の悪質代理店や契約トラブルが少なくなっていくことを願います。