
引っ越し先を決めようと不動産屋で物件を契約する際にネット回線をすすめられる場合があります。そのネット回線をそのまま申し込むのはお得なんでしょうか?
引っ越しの時は物件以外にもたくさんの手続きをしないといけないので、「ひとつでも減らしたい・まとめて頼めたらいいのに。」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。
実は不動産屋に言われるがままネット回線を申し込むべきではありません。それには次の2つの理由があります。
- キャンペーンがないから
- 個人情報が意図せずもれる
そもそも不動産屋がネット回線をあなたに紹介してくるカラクリや、お得にネット回線を申し込むための知識をこの記事では知ってもらいたいと思います。
※表記している価格は税込みです。
目次
どうしてキャンペーンがなくなるのか?
どういう事かと言うと、ネット回線の申し込み者がもらえるキャンペーン分の費用が、紹介料として不動産屋に渡ってしまうためです。
よくある形として、ネット回線の事業者が販売代理店が獲得した申し込み1件に支払うインセンティブ(報酬)があります。
代理店経由で申し込むと事業者のキャンペーンに加えて、代理店からキャッシュバックなどの独自キャンペーンがもらえます。そのキャンペーンは、インセンティブの中から申し込み者に還元されます。
対して、不動産屋は販売代理店と「提携」という形をとっていて、興味がある見込み客の情報を販売代理店にパスして、そのお客が申し込み・サービス利用開始になったら紹介料が販売代理店からもらえる仕組みとなっています。
本来であれば申し込み者がキャンペーンとしてもらえる分が、紹介料として不動産屋に渡っているわけです。
もうお分かりだと思いますが、このパターンで一番損をするのは「申し込み者」です。
ネット回線の事業者や販売代理店からしたらユーザーが増えればその分、自分たちの儲けが増えるので販売ルートは多い方がいいわけです。
不動産屋から見ると、賃貸物件を契約したお客から仲介手数料を取って、さらに勧めたネット回線でも紹介料が入ってくるからおいしいですよね。もしかしたら、他に流れるのを防ぐために少しはキャッシュバックしてくれる代理店もあるかもしれませんが、不動産屋を挟んでいる分だけキャンペーンの価値は下がります。
不動産屋の中にはすすめたネット回線を申し込まないお客がいると入居の契約を断るようなところもあるそうですよ…
都心は不動産屋も多いので、そんな業者は断って他を当たればいいですが、田舎で不動産屋が少ない割に大学の新入生が毎年一定数入ってくるような学生エリアではあるかもしれませんね。
個人情報がもれるってどういうこと?
不動産屋がすすめてくるネット回線に興味をしめすと不動産屋が手配を色々としてくれるのではなく、次に提携している販売代理店が細かい説明などの連絡をしてきます。
この時に、不動産屋に与えた個人情報が意図せずに、どこの馬の骨ともわからない販売代理店に渡ってしまう訳です。もちろん不動産屋からは事前に「後で、〇〇というところからネット回線の件で連絡が来ますよ。」とは言われるでしょうが…。
色々と調べたりして納得できた上で自分で申し込む(個人情報を渡す)のは構いませんが、こういうのはちょっと気持ち悪い感じがしませんか?
ネット回線をお得に申し込むために
不動産屋で勧められたネット回線は申し込むべきではありませんが、お得に申し込むためにはどうしたらいいでしょうか?
同じネット回線でも申し込む窓口(どこの代理店から申し込むか)によってキャンペーン内容が違います。不動産屋が代理店のパートナーということは今までの話でわかったとは思いますが、ネット回線の申し込み窓口は他にも訪問営業や電話営業、Webサイトがあります。
結論を言うと、自分でWebサイトから申し込むのが一番お得です。その理由は次の2つです。
Webサイトの方がキャンペーン価値が高い
Webサイトで集客している代理店は訪問営業や電話営業に比べて人件費・場所代がかからないので、その分を申し込み者へのキャンペーンに還元しています。
また、取り扱っているネット回線はどこも同じで、差が出せる所としてはキャンペーンの内容が大きいわけです。そのため、競合サイトに負けないようにキャッシュバックや特典を上乗せしている傾向にあります。
訪問営業や電話営業はトラブルになる可能性が大きい
訪問営業や電話営業は、基本的にネット回線やパソコンに詳しくない人をターゲットにしているため騙すような悪質な手口のところも多く、他と比較させる時間を与えないように即決を迫ってきたりしますが、あとあとトラブルになりやすいので初めから相手にしないことが賢明です。
キャンペーンがお得なネット回線
Webサイトからネット回線を申し込む場合ですが、まずキャンペーン価値で考えると
- NURO光:キャッシュバック45,000円、工事費0円
- auひかり:キャッシュバック最大71,000円、工事費0円
- ドコモ光:キャッシュバック最大35,000円、工事費0円
- ソフトバンク光:キャッシュバック最大40,000円、工事費0円
の4つが、キャッシュバックもありつつ工事費0円で申し込めるのでお得なネット回線と言えます。それぞれのキャンペーン詳細については下の記事が参考になります。
また、月額料金を少しでも抑えて使いたいという場合は、光コラボ(NTT光回線の卸し)の料金別ランキングが参考になります。こちらも工事費0円などのキャンペーンもあるので、初期費用も抑えることができます。
事前に知っておきたい知識
物件を見ていると「インターネット完備」や「インターネット対応」という表記がありますが、それぞれ意味がまったく違います。先に知っておけば、対応が遅れたり無駄なことをしなくて済むので参考にしてください。
「インターネット完備」というような物件は、ネット回線の設備が備え付けで料金は無料のことを指していて、入居して壁にあるLANの挿し口に、LANケーブルをつないで、パソコンまたは無線LANルーターを接続すればネットが使えます。ネット代が無料とはなっていますが、だいたい家賃や管理費に組み込まれています。
「インターネット対応」や「光ファイバー対応」というのは、マンションタイプの設備があることを指しています。物件の共用部分までネット回線を引き込んではありますが、あとは入居者が個別に申し込みをすれば共用部分から部屋までの開通工事(通線・機器設置)をしてネットが使えるという流れです。
後者の場合は、設備に対応しているネット回線であれば入居者が好きなところを申し込めばいい訳です。(不動産屋がおすすめしてくるのも、こちらの物件になるはずです。)
設備がフレッツ光のマンションタイプであればフレッツ光やドコモ光・ソフトバンク光などの光コラボ(NTT光回線の卸し)でも使えます。
引っ越し先で新規申し込みの注意点
まず提供エリアに入っていないと、どれだけキャンペーンが魅力的であっても利用ができません。
提供エリアであっても集合住宅の場合は、マンションタイプの設備が入っていないと戸建て向けを引き込むことになりますが、管理会社もしくは大屋さんの許可があらかじめ必要です。(マンションタイプの設備がある場合は許可はいりません。)
光回線は開通工事までに日数がかかりますので、引っ越し先の住所が決まった時点で早めに申し込みをしておき入居日に近いところで開通ができるようにするのが得策です。(特に3月~4月前半の引っ越し繁忙期)
また、インターネット完備(ネット回線が設備としてついていて無料。部屋にLANケーブルの差し込み口があるタイプ)の建物はそれを使えばいいので、自分でネット回線を申し込む必要はありません。逆に、他のネット回線を使いたくても管理会社の許可が下りないので、速度が遅かったとしても選択肢がないとも言えます。
まとめ
いかがでしょうか?
不動産屋がすすめるネット回線を申し込むべきではない理由がわかったと思います。この記事のポイントをおさらいします。
- 不動産屋がすすめるネット回線は紹介料のせいでキャンペーンがない
- さらに、個人情報が意図せず代理店にもれる
- 申し込むなら自分でWebサイトから申し込むのが一番お得
引っ越しは何かと出費もかさむので、この記事を参考にして少しでもお得なネット回線を選んでくださいね^^